2010/2/9 火曜日
公平な裁判とタトゥー
人間関係では第一印象が大切という話はよく耳にすることだが、その中でも容姿、つまり最初に目に映った印象というのは後々まで残るものだ。
裁判においても、陪審員の目に映る容疑者の第一印象は、案件の行方を左右する要因の一つとなり得る。我々も、法廷で証言するときは、プロフェッショナルな調査員にふさわしい身だしなみを心掛けるし、凶悪な犯罪者であっても、裁判所ではきちんと髪を整え、白のワイシャツにネクタイ、控えめなスーツに身を包み、まるで別人のように大人しくしている様子をよく見掛ける。もちろん、これは「Good Citizen(善良な市民)」を演出するためである。
先日、こんな話題があった。フロリダ州のある男性が殺人罪と殺人未遂罪で逮捕され、裁判が開始された。
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この写真をご覧頂ければお分かりのように、いかにもというか、何とも近寄りがたい風貌の男性だ。また、この男性はネオナチで、体のあちこちにタトゥーを入れている。
こちらでは、日本に比べるとタトゥーに対してそれほどマイナスなイメージが強いというわけではないが、それでも、やはり好ましいというものではない。特にこの男性の場合、ネオナチのタトゥーやいわゆるティアドロップ*を入れており、ギャング丸出しである。
こんな男性が容疑者として目の前に立っていれば、陪審員とて彼に対して否定的になるかもしれない。そして、そんなことを危惧した裁判官は、この男性のタトゥーを消すための作業を公費で負担することを決定したのである。興味深い点は、消去の対象となるタトゥーは逮捕後に彫られたものに限定された(厳密には、犯行後とすべきところだろうが)ことである。
容疑者の人物像を示すために、過去の犯罪歴などが考慮されることはあるが、タトゥーもそういったものの一つなのだろうか?わざわざ公費で犯行時の容姿を「復元」することによって、公平な裁判が達成されるということなのだろうか?
色々な意見があるだろうが、関係者の間で話題になったトピックだった。
* ティアドロップのタトゥーというのは、目の下に入れられた涙粒形のタトゥーのこと。

ロス・アンジェルスで活躍する日本人探偵。トラブルシューター。アメリカの大学院を卒業後、米国私立探偵ライセンス、米国公認不正検査士資格を取得。海外調査、犯罪対策、各種カウンセリングを含め、国際的な調査案件を数多く手掛ける。