2010/3/9 火曜日
ポンジスキームの被害者
先日、FBIによってこんな事件が報告された。
ミシガン州に住むある兄弟。ビジネスで成功を収め、地元でも良く知られた存在だったらしい。ところが、ガス・オイル採掘の詐欺的な投資話に乗ってしまい、ポンジスキームの被害者になってしまった。
この事件を聞いたとき、かなり前のことだが、詐欺的な投資話、資金集めで問題になり、逮捕者も出た日本のある団体について思い出した。
実は、私はひょんなことからこの団体の内部事情を知ることになったのだが、当時、その団体の代表が「予定通りに支払い(リターン)ができなくなったのは警察のせいだ」「警察が介入しなければ全て順調だった」としきりに言っていたのを覚えている。
前者のアメリカの例と後者の日本の例。目についたのは被害者の対応の違いだ。アメリカの例では、自分達が騙されたことに気付いた後であっても、この兄弟は当局に通報しなかった。その代わりに、彼らはフロント企業を立ち上げ、自分達が被害に遭ったガス・オイル採掘という同じストーリを用いてポンジスキームを企て、それを実行した。当然、徐々に首が締まってくることになるが、支払いが遅れていることについては、資金がアメリカ政府等によって差し止められているからだと投資家達に説明し、当局に協力すると支払いが更に遅れるとまで言っていたらしい。この種の輩というのは同じような口実を使うものである。この事件は、この兄弟の口座に巨額の金額が動いていることを銀行が気づき、それをFBIに通報したことがきっかけとなって発覚し、昨年末、この兄弟に実刑判決が下された。それにしても、腹いせか、本気で金儲けができると確信したのかは不明だが、詐欺の被害者が自身の経験を基に詐欺の実行者に身を転じるというのはあまり聞かない。
一方、後者の日本の事件についてだが、少し前にその団体の代表が出所したこともあり、当時の被害者のコメントがマスコミに流れているのを目にしたことがある。今だにリターンを得られなかった原因は警察の介入と信じている人がいたり、夢を見させてもらったなどと呑気なことを言っている人もいるようだった。
日本人のほうがポジティブシンキングということなのか、アメリカ人のほうが貪欲なのか、私にはよく分からないが、同じような手口でも被害者によって異なる対応が見られたことは興味深いところである。

ロス・アンジェルスで活躍する日本人探偵。トラブルシューター。アメリカの大学院を卒業後、米国私立探偵ライセンス、米国公認不正検査士資格を取得。海外調査、犯罪対策、各種カウンセリングを含め、国際的な調査案件を数多く手掛ける。